2018年1月2日

その家の不動産価値はもっと高いはずだ!と、学校が言ってくる

日本で家やマンションを買うと、その価値に応じて固定資産税を払わなくてはいけなくなります。アメリカにもやはり「Property Tax」があるのですが、市に払う「City Tax(市税)」に加えて「School Tax(学校税)」というものがあります。そしてこれも不動産価値に応じてその金額が決まります。

アメリカの各地域は「School District(学区)」に分かれており、学区ごとに公立の小学校、中学校、高校が運営されています。そして、その学区内の不動産に課税された学校税は、学区の収入となります。

つまり、資産価値の高い物件がたくさんある学区は、潤沢な資金を得て、良い校舎を整え、良い先生を確保し、高いレベルの教育を提要することになります。すると、その地域に住みたいという人が増え、その地域の不動産価値はさらに上がっていきます。そのような高い物件を購入する資金・収入がある親というのは教育に熱心である割合も高く、統一テストの成績も上がり、学区のランキングも高く保たれます。

逆にいうと、安い物件が集中する地域では、学区が十分な資金を得られず、悪循環に陥ります。人種問題も絡む、格差社会と言われるアメリカの負の部分が如実に現れてしまっているところです。

ところでこれは市税の話ですが、冬に雪の降るピッツバーグ周辺ではこれが道路状況に関わってきます。いわゆる「金持ちの住む地域」では1日に何度も除雪車が回るため、雪が降っても道路には全く雪がありませんが、そうでない地域には雪が残っていたりするわけです。


さて、学校税が不動産価値によって決まることから、学区としては地域内の不動産価値を高く評価させたいわけです。何をするかというと、誰かが地域内に家を購入すると、学区が行政に対して「この家の不動産価値はもっと高いはず」と働きかけるわけです。



家のオーナーはこれを放っておくと、固定資産税が上がってしまうため、そんなはずはないと訴えることになります。私のところにもやはり同様のことが起こり、弁護士さんを雇って戦っています。その詳細については、読みたいという方がいらっしゃったら今度書いてみようと思います。

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