おさらい:下の両者が対立して、契約を更新するしないという話になっており、加入者は来年以降 UPMC で医療を受けられるか不安になっている。
- UPMC(ピッツバーグ大学医療センター):世界有数の医療機関でピッツバーグ地域のほとんど全ての医療機関がこの傘下という独占的支配的な非営利組織。独自の医療保険もはじめた。
- Highmark(ハイマーク): ペンシルバニア州最大の大手医療保険の会社。UPMC への不満から、対抗する医療機関を作ろうと、医療グループ Allegheny Health Network facilities を買収し、UPMC から医師を引抜いている。
同意判決
UPMCとHighmarkの間での契約は、2014年末をもって更新されず、期限が切れる事になりました。しかしこれに関し、2014年6月27日に 5年間の同意判決が発表されました。Highmark 加入者の多くは 2015年1月以降UPMCの医療施設においてin-networkの低価格な医療を受けられなくなるものの、いきなり全てが打ち切られるのではなく、この同意判決による移行措置が設けられます。UPMC で治療を受けられないとなると、Highmark の加入者の中には、他の保険に乗り換える人がたくさん出てくると思われます。UPMC も独自の医療保険を持っていますし、それ以外の大手の医療保険、例えば、Aetna(アテナ)、Cigna(シグナ)や United(ユナイテッド)は、これまでの Highmark の様に、UPMC と Allegheny Health Network facilities の両方で in-network として受け入れらます。
Highmark としては、この移行措置のお陰で、いきなり加入者へのサービスが打ち切られるわけではない事で。少し胸をなでおろしたところです。胸を撫で下ろすのは、振り回されている加入者ですが。
さて、その移行措置の内容は以下のとおりです。UPMC が細かく「ただし」のコメントを発表しており、両者に解釈の相違が見られます。
移行に関する合意
- 現在 UPMC で治療を受けている人は、来年(2015年)中もその治療が受けられる。
- ただし、Highmark が医師の治療方針に異議を唱えない場合のみ。
- ER(緊急処置)については、UPMC のすべての施設が in-network の低料金で受け入れる。
- ただし、in-network の医療機関に転院するまでの間のみ。
- 癌を患った際には、治るまで UPMC で治療が受けられる。
- ただし、患者の主治医が「他の医療機関ではなく UPMC の癌専門医による治療が必要」と判断した場合のみ。
- 代替となる医療施設がない全ての人が UPMC で治療を受けられるように、2015 年中はセイフティーネットを提供する。
- UPMC いわく、この対象となる人はかなり少ないはず。
- 65 歳以上の人、メディケア(高齢者向け公的医療制度)、メディケイド(低所得者向け公的医療制度)の加入者は、引き続き UPMC で治療が受けられる。
正確なところは?
この通り、合意文書についての両者の解釈には隔たりがあり、実際にどうなるのかはまだわからないという引き続き困った状況です。ローカルメディアも、結局どうなるのかを引き続き取材して記事にしています。なお、ER と癌に関する取り決めの部分は、2014年7月15日までに両者が署名するはずだったのですが、16日現在まだされていないそうです。