Lビザとは
L ビザは「企業内管理職転勤者」と言われ、米国内と米国外の両方にオフィスのある国際企業の管理職向けのビザです。こういった類のビザなので、国際的な大企業では比較的容易に取得可能ですが、米国での実績があまりない会社では、容易に取得できません。
L ビザは、法的にグリーンカード(永住権)取得に関する足がかりとして使えるとされており、特に 下記 L-1A からの永住権取得は、優先就業者とみなされて他のビザに比べて容易だと言われています。
L ビザの種類
- L-1A : 幹部及び管理職向け。
- L-1B : 専門知識を持つ従業員向け。
- L-2 : 上記の家族のビザです。L-2 の家族も就労資格申請ができ、取得すればどの会社でも働けます。
手続き
個人で取得するのではなく、企業(事業)がスポンサーとなって移民局に請願し、認可されてから、個人がアメリカ大使館でビザを申請するという 2 ステップを踏みます。
- Form I-129 による移民局(USCIS: U.S. Citizenship & Immigration services)への請願から始まります。これは、米国側の会社が行うことになります。請願が認められると、Form I-797, Notice of Action (請願書許可通知)という書類が出されます。
- この I-797 を含む書類を持って、大使館などでビザを申請します。ここで使う申請書は DS-160 です。こちらが実際のビザの申請であり、会社でなく各個人がする手続きです。面接などがあります。面接というと敷居が高そうですが、対面で手続きするだけです。予約や大使館への入管手続きは面倒ですが、書類さえ揃っていれば何の問題もありません。
この順に出てきます。
I-129 / I-129S(請願書)⇒ I-797(請願許可) ⇒ DS-160(ビザ申請)
Blanket Petition (包括請願書)
なお、一定以上の規模の会社では、各社員ごとに毎回全ての手続きを繰り返すのではなく、予め包括して請願し、それが認められると、以降この部分を省略することができます。Blanket Petition とか LZ といいます。
- Regular L-1:一般的な L ビザで、ビザが必要な各従業員ごとに移民局に請願書を提出し、それが承認されてから、本人がアメリカ大使館に行ってビザを申請します。この手続では、I-129 を使います。
- Blanket L-1: 一定の基準を満たす企業については、あらかじめ承認されているので、I-797 のコピーをもって本人がアメリカ大使館に行ってビザを申請することで済ませられます。こちらの手続きでは、I-129S を使います。
渡航する際に I-129 を持っていく
なお、アメリカに渡航する際には、ビザと一緒に、I-129S か I-797 を持ってくることとあります。実際、飛行機でアメリカに着いた時に、入国審査で求められます。これは、米国外に旅行するときも同様です。知人は、持たずに日本に一時帰国しようとして、アメリカ出国時に怒られたそうです。逆にカナダやメキシコに短期で行く時には必要内容で、ナイアガラの滝に一泊旅行した際に車で国境を通過した際は必要ありませんでした。まぁ持っていったほうが良いですよね。
また、入国審査の際にこれらの書類を回収されるケースもあるようです。私は、ミネアポリス、ボストン、ダラスから入国しましたが、毎回対応が違います。I-797 は回収されてもコピーなので問題ありませんが、スタンプのある I-129S 原本は回収されると困った事になります。審査官もあまりわかっていない場合もあるようなので、注意しておいたほうが良いと思います。