2015年2月4日

ペンシルバニア州にお酒が売っていない(ことがある)問題

アメリカでは公園など公共の場でアルコールが飲めません。花火といったらビールと行きたい日本人的にはちょっとアレです。そして、ペンシルバニア州はカリフォルニア州などに比べ、もう少し厳しいです。


飲むことに対して厳しいとか、値段が高いということはないのですが、例えば、バー以外の比較的庶民的な値段のレストランには、お酒が置いていないことが多いです。それらの店は「BYOB」と言っています。BYOB とは、「Bring Your Own Bottle」すなわち、自分のボトルを持って来てください(持ち込みOK)という事です。安上がりとも言えますが、ラーメン屋に入って「ラーメン固めとサッポロ黒ラベル」なんて夢のまた夢です。

そして、通常、スーパーマーケットにもお酒が売っていません。ベイエリアのホールフーズ(Wholefoods)には安いワインやビールがありましたが、ピッツバーグでは、ワインやウイスキーを買うには州が運営するリカーショップへ、ビールを買うにはビール専門店に行く必要があります。別々であり、リカーショップにはビールはなく、逆にビール屋にはウイスキーがないので、面倒です。

スーパーに売っていない点は、日本食を料理する人にとって「本みりん」が手に入らないという問題にもなります。アルコールではない「みりん風調味料」しか売っていません。


これらは、酒類販売の免許のせいです。リカーライセンスの数は限られており、転売で手に入れるしかありません。州の酒類管理委員会(Liquor Control Board)のページにも、名義変更の手数料や毎年の更新料(どちらも数百ドル)、手続き方法は書いてありますが、「ライセンス自体の取引価格は、マーケットによって決まってくるので、州は把握していない」とあります。

では、実際にリカーライセンスはいくらで取引されているのか?

レストラン用の酒類免許は、ピッツバーグで現在 800 万円くらい($75,000-80,000)で取引されているそうです。1980 年代半ばには、140 万円くらい($12,000)だったので、6 倍以上です。さらに高騰し続けており「金よりも良い投資」だとか。

なお、州西部で一番高いのは、ピッツバーグから北に車で数十分のバトラーという所で、3,000 万円近くするそうです。このバトラーで、3ベッドルーム、2バスルームみたいな一軒家を買っても 2,000 万円もしないのに、ライセンスだけでこの値段です。


ところで、タイムズ紙の記事によると、酒好きに良い州は、1 位ミズーリ州、2 位ネバダ州、3 位ウィスコンシン州、逆に悪い州は、1 位ユタ州、2 位マサチューセッツ州、3 位ペンシルバニア州だそうです。

ボストン(マサチューセッツ州)に住んでいた時には、不便を感じなかったのですが、2 位の理由は「大学が多いのに、年齢確認に使える運転免許証がマサチューセッツ州発行のものだけだから」だそうです(アメリカでは免許証は各州ごとに発行・管理されます)。

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