2014年7月23日

Form W-4 源泉徴収額申告書

毎月の所得税天引き額を自分で申請する

源泉徴収額申請書と名付けてみましたが、From W-4 とは Employee's Withholding Allowance Certificate (従業員源泉徴収証明書)というもので、日本には同等の書類はありません。

どの国にも所得に応じた税金(個人所得税)がありますが、日本の会社員の場合は、会社が勝手に計算し、毎月給料から天引きしてくれます。年間を通して多く引きすぎた分に関しては、年末調整を行なってそれを返してもらいます。これも会社がやってくれます。

アメリカにはこのサービスはなく、会社員各々があらかじめ自分で申請する必要があり、そのためのフォームが W-4 です。年間の所得税がいくら位になるかを予測するわけです。多ければ戻ってきますし、足りなければ後から追加で払います。多く払って返金される時には金利をつけてくれますし、逆に後から追加で払う場合には金利をつけなくてはいけません。

IRS(Internal Revenue Service : 国税庁)は「あなたの会社が給料から正しく連邦所得税を天引きできるように W-4 を提出してください。新しいものを毎年、そして家族に異動があった時に提出しましょう」と言っています。

なお、Form 1040 は、後に提出する確定した税額の書類です。



W-4 の書き方


A) Enter “1” for yourself if no one else can claim you as a dependent 
自分が誰かの被扶養者でないなら「1」を記入。

B) Enter “1” if: { 
  • You are single and have only one job; or
  • You are married, have only one job, and your spouse does not work; or . . .
  • Your wages from a second job or your spouse’s wages (or the total of both) are $1,500 or less.

次のいずれかに当てはまる場合に「1」を記入。

  • 独身で、一つの仕事にしか就いていない。
  • 結婚していて、一つの仕事にしか就いていなくて、配偶者が働いていない。
  • 二つ目の仕事、配偶者の仕事の賃金の合計が 1,500 ドル以下である。


C) Enter “1” for your spouse. But, you may choose to enter “-0-” if you are married and have either a working spouse or more than one job. (Entering “-0-” may help you avoid having too little tax withheld.)
配偶者の分で「1」を記入。結婚していて配偶者が働いているか、二つ以上の仕事に就いているなら「0」を記入。先に天引きされる所得税(源泉徴収)が少なすぎる事を避けたいなら「0」。


D) Enter number of dependents (other than your spouse or yourself) you will claim on your tax return
(配偶者と本人を除く)扶養する人の人数を記入。

E) Enter “1” if you will file as head of household on your tax return.
世帯主である場合は「1」を記入。なんだか単語の直訳からすると違和感がありますが、税理士に「通常これは独身の場合にのみこのステータスになりえる」とアドバイスされました。実際 IRS も「通常世帯主ステータスは、独身で、被扶養者および本人のための家のコストの 50 %以上を支払っている場合のみ」とあります。なお、確定申告のステータスには以下があるそうです。
  • Head of Household(世帯主)
  • Single(独身)
  • Married Filing Jointly(既婚で一緒に申告)
  • Married Filing Separately(既婚で別々に申告)
  • Qualified Widow(er)(配偶者と死別した人。未亡人、寡婦、寡夫…)
※この辺りの事をここにもう少し詳しく書きました。⇒ 「アメリカの税金でいうところの Head of Household(特定世帯主)


F) Enter “1” if you have at least $2,000 of child or dependent care expenses for which you plan to claim a credit (Note. Do not include child support payments.) 
子供または被扶養者の養育費用が 2,000 ドルを超える場合には「1」を記入。

G) Child Tax Credit (including additional child tax credit).
  • If your total income will be less than $65,000 ($95,000 if married), enter “2” for each eligible child; then less “1” if you have three to six eligible children or less “2” if you have seven or more eligible children. 
  • If your total income will be between $65,000 and $84,000 ($95,000 and $119,000 if married), enter “1” for each eligible child

  • 合計の所得が 65,000 ドル(既婚なら 95,000 ドル)以下なら、各子供当たり「2」を記入。その上で、3 ~ 6 人なら「1」、7 人以上なら「2」を引く。
  • 合計の所得が 65,000 ~ 84,000 ドル(既婚なら 95,000 ~ 119,000 ドル)なら、子供一人あたり「1」を記入。

H) Add lines A through G and enter total here.
A から G までを足す。


日本の先進的な(!)源泉徴収

ところで、日本の源泉徴収と年末調整は、会社が社員に代わって面倒な計算を行うので「やってくれる」と書きましたが、社員(納税者)としては、所得税をいくら払っているかという事を気にしなくても生活できてしまうわけです。つまり「こんなに税金とられてる!」と感じづらくなるわけで、税金を 搾取する 集める側としては非常に上手くやっているわけです。計算の手続きを会社にやらせ、納税者である会社員からは払っている事を半ば忘れさせるという、とても「国税庁にとって」先進的な制度ですね。


※「W-4 についての追加アドバイス」を書きました。こちらも御覧ください。

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