2015年3月8日

アメリカで ZZ Top のライブを観る

ZZ Top のライブを観るために、ペンシルバニア州を西のピッツバーグから東に、車で5時間横断して、Wilkes-Barre という町に来ました。前回彼らを観たのは 1999 年にフジロック・フェスティバルで来日した時。その時も東京から苗場まで ZZトップのためだけに4時間車を走らせました。

さて Wilkes-Barre という町は、ペンシルバニア州北東部にある人口 4 万人の小さな町。なんでこんな所に来たんでしょう。ギターのビリー・ギボンズも MC で「この町の格好いい読み方がわからないから W.B. にしとくよ。フランスから来た二人の名前とかなんだろ?(※実際には英国議会議員だそうです)まぁ何にしろ、俺らは コ・コ・に・来・タ・ゼ!(→観客大喜び)」なんてやっていました。右の写真が会場の F.M. Kirby Centerです。


近くのホテルのエレベーターに乗り合わせた人も、近くのバーの客も、ほとんどみんな ZZ Top を観に来た人たちでした。地元の人もいれば、「俺はオハイオ州から来た。あいつらを観るときはいつもこんな感じだ」という人もいました。オハイオ州はピッツバーグの少し西ですが6時間はかかるでしょう。

その観客の年齢層はというと、この写真の通り、かなり高め。まぁバンドの結成が1969年、メンバーも65歳ですからね。バーで「Cheap Sunglasses」というがかかった時に、近くのおばさんが「あの人たちこの曲もう40年も演奏してるのよ」と。

7時少し過ぎに会場に入ると、前座の Ben Miller Band が始まっていました。ドラムを担当している人が良かったです。

ZZ Top も 8 時ちょうどに、お決まりの「Got Me Under Pressure」から始まりました。始まった瞬間にみんな立ったのですが、さすが年齢層の高い観客。一曲目の途中でもう全員座ってました。後ろの人に気を使ってと言うよりは、自分の体力に気を使ってと思われます。

左右のブロックはアンコールで立ち上がったのですが、中央辺りのエリアは、アンコールが終わってスタンディング・オベーションというタイミングまで座ったままでした。熱い声援はずっと送っていましたが。

ライブ自体はというと、もちろん素晴らしかったです。アンコールのお決まりの「La Grange」「Tush」という昔の曲を演奏している時に、彼らの若いころの写真がスクリーンに写されている時には、ちょっとグッときました。

なお、彼らの使用アンプはギターもベースも同じデザインの「Megnatone」というブランドのもの。三段積みですが結構小さめのものでした。

下の写真は彼らツアーバスだと思います。キャンピングカー同様、止まっている時に窓の部分が外にせり出して、部屋を大きくしてあります。ツアー中はこの中で生活してるんですかね。三台あったので一人一台なんでしょうか。だとするとかなり結構豪華快適な気がします。

2015年3月6日

アメリカの医療保険で、一時帰国中の緊急医療費をカバーする話

アメリカに住んでいる人が、一時帰国中に病院に行く場合のための医療保険はどうなるか、という話がよく出てきます。

日本の住民票は抜いて来ている場合には、それを戻して、その間だけ日本の国民健康保険に入るとか、それは役所によっては断られるとかという話は、よくインターネット上にあります。

では、一番正攻法に、アメリカで現在加入している医療保険を、一時帰国中に使うことはできないのかという話です。


実際には、アメリカの医療保険には「アメリカ国外への旅行中の緊急時の医療補償」が付いている場合が多いようです。例えば、とある PPO 保険の場合には、以下の様になっています。

  • まずは自分で立て替える。
  • $600 までは自腹(deductible)。
  • それ以上は 70% を保険会社が払ってくれる(30%自腹)。

個人的にはこれで十分な気がしました。日本で国民健康保険に加入できるとしても、
  • 使った使わないにかかわらず、保険料を払う必要がある。
  • 加入やその後の脱退の手続きなどの手間がかかる。
わけで、緊急時の数万円の自腹は構わないかなと思うわけです。$600 まで自腹というのが、嫌だとも思いますが、保険の請求手続きというのは、どこの国でも、どの言語でも、なんだか面倒くさいものなので、大した金額でなければ、請求さえしないということも考えられます。

なお、この話は、一時帰国の場合だけでなく、アメリカ国外への旅行の際にもあてはまります。

2015年2月10日

バターはアメリカではバダーだという話

これは、アメリカ英語特有なのだそうですが、"t" と綴っていて、発音記号でも /t/ と表記されていても、 /d/ と発音する単語があります。

例えば、
water ...  wader の様な発音になります。
butter ... 同様に budder
little ... 同様に liddle 
といった単語です。逆に、以下の単語は、普通に /t/ と発音します。
hotel ... hotel と、そのままです。
retire ... 同様に retire 

見分け方は、アクセントが t という文字の前にあるか、後ろにあるかです。

  • アクセントが t の直前にある → d と発音 : water, butter, little → wader, budder, liddle
  • アクセントが t の後ろにある → 普通に t と発音 : hotel, retire → hotel, retire


2つの単語がつながってできた単語にも、適用されます。例えば、automatic は、
auto + matic 
なので、発音は、 audomadic  の様になります。



さらに言うと、下のように複数の単語でも、文章の中でこれが適用され、右のようになります。
it is → idiz
without it → withoudit
that again → thadagain

2015年2月4日

ペンシルバニア州にお酒が売っていない(ことがある)問題

アメリカでは公園など公共の場でアルコールが飲めません。花火といったらビールと行きたい日本人的にはちょっとアレです。そして、ペンシルバニア州はカリフォルニア州などに比べ、もう少し厳しいです。


飲むことに対して厳しいとか、値段が高いということはないのですが、例えば、バー以外の比較的庶民的な値段のレストランには、お酒が置いていないことが多いです。それらの店は「BYOB」と言っています。BYOB とは、「Bring Your Own Bottle」すなわち、自分のボトルを持って来てください(持ち込みOK)という事です。安上がりとも言えますが、ラーメン屋に入って「ラーメン固めとサッポロ黒ラベル」なんて夢のまた夢です。

そして、通常、スーパーマーケットにもお酒が売っていません。ベイエリアのホールフーズ(Wholefoods)には安いワインやビールがありましたが、ピッツバーグでは、ワインやウイスキーを買うには州が運営するリカーショップへ、ビールを買うにはビール専門店に行く必要があります。別々であり、リカーショップにはビールはなく、逆にビール屋にはウイスキーがないので、面倒です。

スーパーに売っていない点は、日本食を料理する人にとって「本みりん」が手に入らないという問題にもなります。アルコールではない「みりん風調味料」しか売っていません。


これらは、酒類販売の免許のせいです。リカーライセンスの数は限られており、転売で手に入れるしかありません。州の酒類管理委員会(Liquor Control Board)のページにも、名義変更の手数料や毎年の更新料(どちらも数百ドル)、手続き方法は書いてありますが、「ライセンス自体の取引価格は、マーケットによって決まってくるので、州は把握していない」とあります。

では、実際にリカーライセンスはいくらで取引されているのか?

レストラン用の酒類免許は、ピッツバーグで現在 800 万円くらい($75,000-80,000)で取引されているそうです。1980 年代半ばには、140 万円くらい($12,000)だったので、6 倍以上です。さらに高騰し続けており「金よりも良い投資」だとか。

なお、州西部で一番高いのは、ピッツバーグから北に車で数十分のバトラーという所で、3,000 万円近くするそうです。このバトラーで、3ベッドルーム、2バスルームみたいな一軒家を買っても 2,000 万円もしないのに、ライセンスだけでこの値段です。


ところで、タイムズ紙の記事によると、酒好きに良い州は、1 位ミズーリ州、2 位ネバダ州、3 位ウィスコンシン州、逆に悪い州は、1 位ユタ州、2 位マサチューセッツ州、3 位ペンシルバニア州だそうです。

ボストン(マサチューセッツ州)に住んでいた時には、不便を感じなかったのですが、2 位の理由は「大学が多いのに、年齢確認に使える運転免許証がマサチューセッツ州発行のものだけだから」だそうです(アメリカでは免許証は各州ごとに発行・管理されます)。

2015年2月3日

アメリカの税金でいうところの Head of Household(特定世帯主)

アメリカで確定申告をする際に「Head of Household」という言葉が出てきます。これは、5つある課税身分(申告資格 / Filing Status)の一つです。直訳すると「世帯主」なのですが、日本の税制上の「世帯主」とは異なります。よって、日米両方で申告する場合、日本では「世帯主」だが、アメリカでは違うといったことが出てきます。というよりそのケースが多いと思います。

米国のこれは、簡単に言うと「子どもや親を扶養している独身者の税金を優遇してあげよう」というものです。低い税率が適用され、基礎控除の額も通常より大きくなります。


この「特定世帯主」で申告するには、以下を満たす必要があります。
  • 結婚していない。または年末時点に独身状態といえる(別居状態など)。
  • 年間の世帯費用の半分以上を支払った。固定資産税、ローン利息、家賃、光熱費、修繕管理費、保険および食費のこと。
  • 原則として、扶養している相手(子供など)と年間の半分以上を同居している。その被扶養者が親の場合は同居していなくても良い。

ところで、申告ステータスは全部で 5 つあります。上で話しているのは、この 4 番です。
  1. 独身(Single)
  2. 結婚していて、まとめて確定申告する(Married Filing Jointly)
  3. 結婚していて、別々に確定申告する(Married Filing Separately)
  4. 特定世帯主(Head of Household)
  5. 扶養する子供のいる未亡人(Qualifying Widow(er) With Dependent Child)

2015年1月16日

仮定法現在 (Present subjunctive)

結構よく使うのに、文法をいい加減にしていた表現。これです。
Larry suggested that she focus on a really big thing.
ラリーは、彼女がとても大きな事に集中するように勧めた。
いわゆる「仮定法 (Subjunctive)」です。 私がいい加減だったのは、この「仮定法」という名前のせいです(責任転嫁)。「仮定」というと、これ↓ばかり意識しちゃいますもんね。
If I were a bird, I would fly to you now.
僕が鳥だったら今すぐ君の元へ飛んでいくのに(でも違うから行かないよ、残念でした!)
といわけで「接続法」と呼んだ方がよいという人もいるそうです。「接続話法・動詞原形」とか?

上の一つ目を「仮定法現在(Present subjunctive)」、二つ目の「ありえないこと」を表す話法を「仮定法過去(Past subjunctive)」と言います。現在、過去といっていますが、時間的な事は関係ありません。




文法まとめ

以下の動詞および言い回しは仮定法現在になる。

   to advice (that)
to ask (that)
to command (that)
to demand (that)
to desire (that)
to insist (that)
to propose (that)
to recommend (that)     
to request (that)
to suggest (that)
to urge (that)
It is best (that)
It is crucial (that)
It is desirable (that)
It is essential (that)
It is important (that)
It is recommended (that)
It is urgent (that)
It is vital (that)
It is a good idea (that)
It is a bad idea (that)

後に続く動詞は、一人称(I/we)、二人称(you)、三人称(she/he/it/they)に関わらず、必ず原形をとる。
She asked (that) Mark work on a project that changes the world. 
It is important (that) your company hire diverse talent. 

「仮定法現在」と呼ぶが、時間的な問題ではなく、過去の事にも未来の事にも使う。
The manager asks that John be at the meeting this Thursday.
The manager asks that John be at the meeting next Thursday.
The manager asked that John be at the meeting last Thursday.

否定形、進行形および受動形はこうなる。
否定: They insisted that Elsa not show her ability to others. 進行: It is a good idea that Oraf be waiting for Anna when she arrives.受動: My manager demanded that I be allowed to take part in the negotiations.

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